鉄パイプ振り回しおじさん (2)
6月29日、鉄パイプを振り回し、暴れまわったおじさんの逮捕動画がネットで話題になっている。



鉄パイプを持った暴漢に襲われるという想定で、警察は訓練を受けているが、実際そのような事態になった事件はほぼなかった。道場や、家族内の喧嘩、現場の恫喝行為でならいくつもあるだろうが、全くの第三者から鉄パイプ(や、武器)で襲われることなど、現在では非常に珍しいこと。




今回は、鉄パイプ振り回しおじさんこと沼上将之容疑者についてまとめてみた。





■目次

鉄パイプ振り回しおじさんとは
鉄パイプ振り回しおじさん沼上将之のFacebook
鉄パイプ振り回しおじさん沼上将之の今後

鉄パイプ振り回しおじさんとは



鉄パイプ振り回しおじさん (1)




横浜市で警察官に対し鉄パイプを振り回したとして、40歳の男が逮捕されました。

29日午前8時前、横浜市戸塚区の路上で鉄パイプを振り回し、周囲を威嚇する半裸の男。警察官が取り押さえようとしますが、鉄パイプを警察官に向けて、走って逃げようとします。その後、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されました。



逮捕されたのは、茅ヶ崎市の自称・派遣社員、沼上将之容疑者で、警察によりますと、現場近くの交差点で交通事故を起こして逃走し、動かなくなった車を乗り捨て、鉄パイプを振り回していたということです。



調べに対し、沼上容疑者は「おまわりさんの制服を見たので、鉄パイプを振り回して近くに来ないようにしようと思った」と話し、容疑を認めているということです。


また、薬物の使用をほのめかしているということで、警察は経緯を詳しく調べています。




日テレニュース





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鉄パイプ振り回しおじさん沼上将之のFacebook




鉄パイプ振り回しおじさん沼上将之の逮捕報道をうけ、5chでは沼上将之のFacebookがすでに特定されている。


鉄パイプ振り回しおじさん



鉄パイプ振り回しおじさんのように、例えばバットとか鉄パイプをもって『何やってんだコラァ!』と周囲の人を威嚇して追っ払ったりしたとしても、警察はそれだけで逮捕できる。




「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」(刑事訴訟法第213条)。軽犯罪法第一条2項では、正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者。




つまり、バット、鉄パイプなど凶器になるのを理由もなく持ってることがダメ。

特殊警棒を所持し、威嚇に使うのでも、強盗犯人が攻撃して来ないのに叩いたら違法。また、犯人の攻撃を想定したとしても、ぶっ叩くなどは論外。



どんな理由であっても、現行犯であれば誰でも逮捕する側に立てる。





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鉄パイプ振り回しおじさん沼上将之の今後






結論として、暴行のレベルは異なるので、鉄パイプ振り回しおじさんの罪は、公務執行妨害罪、人に対する不法な有形力の行使(広義の暴行)となる。



それは、人に直接加えられるものである必要はなく、物に対する有形力の行使であっても、「人の身体に対して物理的に強い影響力を与えるものであれば足りる」とされている。




たとえば、公務員(今回は警察)の指揮に従い、その職務の執行に関与する補助者に対して暴力を加えた場合、収税官吏に差し押さえられた密造酒を鉈で粉砕した場合、警察官による現行犯逮捕の現場で差し押さえられた覚せい剤アンプルを足で踏みつけて損壊した場合、などが判例では、公務執行妨害罪の暴行に当たる。



結論として、公務執行妨害罪は公務の重要性ゆえ、一定の法定刑を定めている。


公務執行妨害罪の法定刑は、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金。


法定刑の重軽を比べると、薬物使用<公務執行妨害罪となっているが、恐らくただの執行猶予とはならないだろう。なっても、保護観察付執行猶予の可能性が高い。執行猶予期間も限度いっぱいの5年となるのではないか?と推測できる。(交通事故なども含め)



保護観察付執行猶予となった場合、薬物犯の場合は保護観察所が行う再犯防止プログラムへの受講が義務づけられている。



これはコアプログラムとステップアッププログラムの2部方式となっていて、コアプログラムは全5課程を約3か月かけて行う。ステップアッププログラムは個別のプログラムになるので、はっきり言って保護観察期間が満了するまで続く。


又、毎回、薬物検査も行われ、このプログラムで出される課題を毎回面談する担当の保護司に提出し、面談もしなければならない。保護司というのは法務大臣から委嘱を受けた国家公務員(非常勤)なので、ある意味、国から監視された生活が保護観察期間中が続くと考えていい。



公務執行妨害罪の保護法益は、公務の円滑な遂行。

それに対して、人の身体・生命の安全を考えても、鉄パイプ振り回しおじさんは
実刑か保護観察付きの執行猶予か、極めて微妙なところなのは間違いない。






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